令和6年9月議会における代表質問 | 田中エリナ(田中えりな)Official Site【松山市議会議員】

令和6年9月議会における代表質問

質問冒頭挨拶
1.城山土砂災害について
2.危機管理について
3.地域経済活性化について
4.シティプロモーションについて
5.女性活躍について


質問冒頭挨拶

まつやまチェンジアクションの田中エリナです。 

市長与党ですか、市長野党ですか、と、会派や個人に対して質問をいただく事があります。
私が会派を結成した際の記者会見でも、記者の方から、この質問を頂きました。 

しかし国会議員とは違い、市議会議員に求められている二元代表制の一翼という役割を考えた時、与党か野党かという質問は、民主主義の否定を意味するものと、私は疑問に感じます。 

執行部も議会も、ともに松山市の発展を願う意味では協力体制、人間関係を築きながらも、議会においては、良い取り組みは良い、疑問を感じる取り組みには指摘を、是々非々の精神で、松山市の発展と市民の幸福を一点に見つめ、今回も質問を作らせていただいております。

理事者におかれましては、政局にとらわれる事なく、答弁をゴールとせず、全ての議員の質問から、市政への前向きな変化の種を探ることを目的に、市民の目からもわかりやすいご答弁をお願いして、質問に入らせていただきます。 


1.城山土砂災害について

1-1 城山土砂災害
1-2 松山市情報発信

 
1-1 城山土砂災害

城山の管理について、現時点での本市の見解及び管理瑕疵の有無について、今後の調査予定を問う。

[質問全文]
城山土砂災害において尊い命を落とされた3名の方のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被害住民の皆様が一刻も早く元の生活を取り戻されますことを念頭に、質問致します。 

 8月16日に本市に提出された、被害に遭われたマンション住民の皆様からの要望書で確認できる通り、城山土砂災害に関して、松山市が責任を認め、賠償という形での対応を求める当事者市民からのお声が顕著となっています。 

  本市は、災害発生後、要綱に基づいた見舞金を支給、8月に見舞金を追加支給、そして現在は、生活再建金の支給を検討中です。
被害に遭われた方々への対応は、必要であり大切ですが、賠償という形ではなく、見舞金の追加支給や生活再建金の検討という現在の市の対応は、現時点では「市に責任があったと認めない」という市の姿勢を如実に表しており、その姿勢こそが、市民からの疑問の声につながっております。 

先の臨時会で会派を代表して清水議員が指摘をした、災害発生2日後に住民に対する賠償を決定した平成9年松山市宝谷池決壊のケースを見ても、自治体が責任を認めれば、スピード感をもって賠償対応することは可能であり、市が賠償責任の有無を曖昧なままに、見舞金の追加や生活再建金の支給を検討をしている今の状態は、責任を認めることは避けながら、市民を懐柔しようとしているように見えても、無理からぬ事です。 

昨日議場でも、「市の責任については、発生原因が分からないから答えられない、」とのご答弁を繰り返していらっしゃいました通り、現在松山市は、発生メカニズムの解明を待ち、賠償についてはその後検討する、という姿勢ですが、この対応に疑問があり、質問させていただきます。

賠償責任の有無は、何が原因で災害が起きたかという発生のメカニズムではなく、安全性が担保される状態で管理されていたかという市の管理状態にこそ、目を向けなければいけないからです。 

  自治体が責任を認め賠償の責務を負うかどうか、その根拠となるのは、国家賠償法です。
この法律は憲法第17条被害者救済の精神に基づき定められており、国家賠償法第2条には「公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったため他人に損害を生じた時は国又は公共団体はこれを賠償する責に任ずる」。とあります。 

 松山城ならびに城山が、松山市の公の営造物であり、市はその設置及び管理に責任を負っていることは明白です。
その上で、賠償の決定を下す際に重要になるのは、「設置と管理の観点から考えられる松山市の瑕疵」です。耳慣れない言葉なので、かみ砕いてご説明しますと、管理の瑕疵、とは市が管理する所有物として、通常有すべき安全性が確保されているのか、言い換えれば、公の施設として、当たり前に期待される安全性が担保されていたかどうかが、国家賠償法の求めるところです。 

市の責任の有無は、災害の要因の解明を待つことなく、安全が担保される状態で管理されていたかどうか?という観点で判断できるのですから、発生のメカニズムが解明してから、賠償を検討するという市の対応は、本来負うべき責任から目を背けているように思えます。 

では、松山市の管理に瑕疵について、目を背けてははらない点を、挙げさせて頂きます。 

 例えば、平成30年西日本豪雨災害では、各地で被害が発生し愛媛県内で33名の尊い命が奪われましたが、今回の土砂災害は松山市全域が雨に見舞われる中、唯一城山が土砂崩れし人的被害が発生しました。
このことは、公の営造物が通常有すべき安全性が確保されていたのか、管理の瑕疵が疑問視される点です。 

城山の管理の瑕疵の有無を考えるとき、国家賠償法の重要な判断指標の一つに「予見可能性」があります。
昭和43年岐阜県で発生した飛騨川(ひだがわ)バス転落事件において、予見可能性、例えば同様の地で過去に同様の災害が発生していた場合など、「災害が起こるかもしれない」と予測される危険性に対して安全を確保する措置が講じられていなければ、管理に瑕疵があったとの判決があり、国家賠償法の解釈として有名な判決事例です。 

城山の土砂災害は予見可能性があったといえる根拠として、平成22年の大雨で愚陀仏庵が流れており、そして平成30年の西日本豪雨で、古町口登城道。
また、今回の災害発生地において昨年、一部が崩れており、近年の気候変動で局地的大雨が増加する状況の中、城山の土砂災害の予見可能性は、素人目にも、非常に高いと見て取れるのではないでしょうか? 

 さらに市の設置と管理の瑕疵の有無を左右する事実として、市が設置した勝山山頂の緊急車両用道路の擁壁の傾きが7年も前に確認されていたことも挙げられます。 

 また、崩落した崖の上にある緊急道路のヒビに関して、市民から、城を管理する指定管理者に通報があったにも関わらず、市は7月1日着工予定日まで把握できてなかったとの報道は、危機管理体制の不備を指摘するものです。
さらに城山の管理の中で重要な樹木管理に関しても、松山市の管理瑕疵に疑問が残る点が見受けられます。 

山は樹木を管理しないと、地表に日光が届かず、山の下側で植物が育ちにくくなり、草木も根が張らないため土が痩せていき、このような状況で大雨が降った場合、背の低い草木が土砂の流出を防いでいたものが防ぎきれなくなり、また草木の根が水分を十分吸いきれないために土砂災害が起こりやすくなるというのが、山の管理において常識だと有識者からお伺いしました。
そのため樹木を計画的に伐採するなどの管理処置が必要です。
城山の樹木を適切に管理するために本市では【史跡松山城跡(しせきじょうせき)樹木管理計画】が策定されましたが、本市がこの計画を策定したのは、令和5年、昨年です。
それまでは倒れた木や危険性のある木を伐採するといった、対処療法的な樹木管理だったと聞き及んでおります。
この樹木管理計画は国の補助金が活用できる事業であり、もっと早い段階での策定が可能だったのでないかと、疑問が残ります。 

縷々申し述べましたが、事実を確認するにつけ、城山の土砂崩れは市の営造物の中でも過去事例から、予見可能性が高く、土砂災害に対してとりわけ緊張感を持った管理が必要であったにもかかわらず、昨年の一部崩落に対しては、土嚢を積む対処療法にとどまり、文化庁に対して緊急に工事を要する要請をしておらず、山の保水力を高めるべくの城山の樹木整備に関しても、補助金が利用できる樹木管理計画策定が遅きに失したことについて、執行部は松山市は公の営造物に対する適切な管理を施していたと、胸を張って市民の皆様にお伝えできる状況でしょうか? 

  以上のような観点から、十分に予見可能であった城山の土砂災害に対して適切な管理、予防策を講じられなかった市の管理責任への市民からのお声は、尤もなことと思われます。 

現在松山市は、技術検討委員会による災害発生のメカニズム解明を待って、賠償責任を検討するとしていますが、再発防止や今後の施策のために発生メカニズム解明は、重要なことですが、発生のメカニズム解明とは別に、早急に松山市の管理そのものについて、調査すべきです。
裁判になった際、過去判例において相当因果関係、つまり発生原因への言及があった場合はありますが、あくまでも国家賠償法の主眼は、被害の原因ではなく、管理の瑕疵の有無にこそあるからです。 

 技術検討委員会は、市の管理の瑕疵を調査する場所ではありません。
また管理の瑕疵についての調査は、県や市とは切り離された、第三者機関の調査をもって初めて、市民から信頼を得られるものと考えます。 

 先に申しました通り、管理の瑕疵が疑わしいにも関わらず、責任を認め賠償することはせず、しかしながら第三者機関をもっての管理瑕疵の有無の調査もいまだ行われない市の対応は、犠牲者が出ている災害対応とは到底思えません。 

 松山市は、城山の管理に問題がなかったとお考えになっているのか、あるいは、管理の瑕疵の有無をこれから調査予定なのでしょうか。 

そこでお尋ねします。 

本市の城山の管理の瑕疵についての、現時点での本市の見解および、今後の「管理の瑕疵」の有無についての調査予定について、お聞かせください。 

[理事者答弁]市街地整備課
現在、検討委員会で、災害が発生した原因や再発防止策について検討されており、適正な管理方法についても参考となる意見が期待できるため、その結果を参考に、市の管理は適切で、瑕疵はなかったのか、専門家などの意見を伺うなど、適切な方法で判断する必要があると認識しています。 

 [理事者答弁についての田中エリナ回答]
技術検討委員会はあくまでも、松山市の管理の瑕疵を論ずる場ではないと認識しております。
管理瑕疵の有無は、予見可能性の観点から見ても、発生原因解明を待つ必要なく、早急に調査可能です。 あくまでも県の技術検討委員会の結果を待ってから、責任の有無を検討するという今の市の姿勢は、犠牲者が出ている中で、国家賠償法の主眼に立ち戻っても、容認できるものではないと思います。
早急な調査開始を願い、次の質問に移ります。 


1-2 松山市情報発信

城山の土砂災害における本市の情報発信が適宜適切に行われていたか、本市の見解を問う。

[質問全文]
今回の土砂災害にて、市民の皆様から寄せられた多くのご指摘やご不安の声の中でも、目立って多く寄せられたのが、松山市の情報発信のスピードが遅く適時、適宜適切に情報が公開されていない、とのご指摘です。 

 一言に情報発信といっても、現代は多種多様なメディアがあり、世代ごとに利用するメディアも異なるため一律に情報提供することが容易ではないことは理解できますが、市が保有する施設に関連して、死者が発生した災害に関する情報に市民の関心度は高く、今回の松山市の情報発信の適宜性に疑問があり、質問させていただきます。 

まず記者会見についてです。
松山市の記者会見は、災害発生から4日後の7月16日に行われました。
この間に市民の皆様から市の記者会見はないのか、と市の情報発信の、特に適時性に対する指摘のお声を頂戴しました。 

 放送局のアナウンサーがご前職で、在職当時、市政の広報に携わっていたご経歴のある野志市長に対して、若輩で門外漢の私が、情報発信の適時性について意見することは、甚だ僭越であり釈迦に説法かとは存じますが、市民の皆様から寄せられたお声を代弁させていただくものであります。 

  無論、組織の長である市長においては、平時においても膨大な決定事項や業務が山積する中、土砂災害による有事の対応が加わり、災害対応に忙殺されていらっしゃったことは、想像に難くありません。
しかし、市の営造物による被害が出て、復旧作業中、次にいつ大雨が降るかもわからない危機感のある中、速やかな情報発信を市民が望むことは無理からぬことで、市の責務ではないでしょうか? 

  市長におかれましては、発災後当日と翌日に続けて被災現場を訪れ、公民館を周り、被災者の皆様のお声を聞かれたと伺っておりますのに、記者会見が開かれなければ、市長のそういった行動も市民に届かぬままで、残念に感じます。 

  市が4日間の沈黙を守る間、私のところにも市民の皆様からの不安のお声が寄せられました。
そうして、ようやく開かれた7月16日の記者会見は、いわゆるぶら下がり形式、すなわち、報道関係各社の質問に応じる形の会見でした。 

  緑町の現状、規制線の向こう側の被害現場に足を踏み入れることのできる市が、緑町住民全体の生命や生活の危機ついてどのように考えているのか、特にご家族や親類、知人や友人などの関係者の方々は当時何よりも強い関心ごととなっていたと思われます。 

市の現状把握の状況や対応の方針などをいち早く知りたいと4日もの間、焦燥感に駆られるような日々を過していたにもかかわらず、市自らの考えや情報発信がなく、記者の質問に答える形での記者会見に、失望の声が上がったことは、尤もなことと思われます。 

2点目は、災害対応に関する市のWEBサイトについてです。 

災害に関する状況や市の対応が記載されたWEBサイトが設置されたのは8月9日で、発災から28日後と、適時性があるとは到底思われません。
警報や警戒レベル、避難情報などの発災直後混乱期の情報は、災害時情報というWEBページに災害発生後、随時掲載されましたが、市民がウェブサイトを通じて知りたい、より詳しい状況や市の対応、今後の安全性についてなどの情報の公開が、災害発生28日後では、遅いと言わざるを得ません。 

  3点目は、緑町住民への説明会の開催についてです。
住民の皆様からの市への要望書にもありました通り、住民の皆様は、住民向け説明会の開催を希望されており、被害住民の皆様のお立場になって考えると直接市長とお話しされたいと思われるのは、当然のことではないでしょうか。
昨日のご答弁の中で、現段階で住民説明会は難しいとのことでしたが、住民説明会の開催が難しい理由が、どこにあるのでしょうか。 

今回のような市の所有物による被害によってご迷惑、ご不便をおかけしている状況では、住民説明会の開催は、トップリーダーの責務であるとも感じます。 

一刻も早く、住民説明会を開き市長が直接ご説明すれば、住民の皆様の不安は大いに和らぐであろうことは、平素よりタウンミーディングを開催し、住民との対話を重視する政治姿勢の野志市長であれば十分にご理解されていると存じますので、だからこそ、いまだに住民説明会の開催がなく、今後も開催予定がないことは、甚だ遺憾です。 

最後、4点目は、被害を受けたマンションの管理組合から8月16日に提出された170項目に及ぶ要望書と、緑町一丁目の住民有志の皆様から、9月5日に市に提出された公開質問状の取り扱いについての情報公開です。
どちらも市に提出があったことは、報道により市民の耳に届いておりますが、その後の市の対応については、情報公開がないままです。
住民の皆様からは、いまだに松山市から、要望書や質問に対して回答がない状態と聞き及んでおります。もちろん、速やかに回答すべきと考えますが、回答できないのであれば、せめて、いつ回答するのか、公に返答すべきです。
要望書や質問が届いたことが報道されて、返答に関する情報がなければ、市民からの不信感に繋がるのは、火を見るより明らかです。 

そこでお尋ねします。 

今回の災害に対する松山市の情報発信は、適宜適切に実施されていたと本市は捉えているのか、お考えをお聞かせください。 

[理事者答弁]市街地整備課
災害の情報発信については、災害復旧作業を最優先に行いながら、発災直後から多くの取材にも個別に対応してきました。
また、より詳しく丁寧に説明するため、1時間程度、報道機関の方に集まっていただき、質問にお答えする場も設けるなど、情報発信に努めてきました。
さらに、本市のホームページの災害復興のコーナーを活用し、市街地整備課が緑町土砂災害の復旧に向けた対応についてお知らせしています。
あわせて被災された方へは直接支援についてもいろいろとお話をさせていただくとともに、ホテルに避難されている方には、ホテル内のスペースをお借りして、現場の復旧状況や今後の避難計画など定期的に説明してきました。
今後もホームホームページなどを活用し、復旧工事の概要や支援策など、情報発信を積極的に行い、被災された方が安心して生活できるよう取り組んでまいります。以上です。 

 [理事者答弁についての田中エリナ回答]
今のご答弁は、本市の情報発信は、十分であったと本市は認識されていると受け取れました。
大切なのは、失敗をしないことではなく失敗から学ぶことだと思いますので、住民説明会の開催も含めて、今回の災害の情報発信が本当に問題がないのか、今一度検討いただけるよう願い、次の質問にうつります。 


危機管理について

2-1 災害時の情報発信
2-2 マイ・タイムライン


2-1 災害時の情報発信

災害時における情報発信の庁内ルール見直しの必要性について本市の見解を問う。

[質問全文]
城山土砂災害の災害情報発信から見えてきた、松山市の災害発生時における情報発信の仕組みに関して、質問させていただきます。 

 昨今の異常気象、局地的な豪雨など、本市でも過去経験したことのないような天候に見舞われる事が増えてまいりました。
数年前の西日本豪雨で経験した通り、大雨に対する災害対策は、これからなお一層重要性が増すばかりで、加えて南海トラフ地震への緊張感も高まっております。
忘れてならないのは、本年元日の石川県能登半島地震によって、いまだ避難生活を送る方々がいらっしゃることです。 

 今後増加が懸念される自然災害の発生を止めることは、現代の科学の力では難しく、必ず起こるものとして、市も市民の皆様と一丸となって防災対策を進めることは、喫緊の重要事ですが、その中で見落とされがちなのが、自治体がタイムリーに過不足なく災害時の情報を発信することです。 

 今回の城山土砂災害から見えてきた、松山市の災害発生時の情報発信体制を、簡単に取りまとめて申し上げますと、全部局にまたがる「地域防災計画」を基に、災害発災後は、災害対策本部に情報班というチームが設置されます。 

災害発災直後混乱期の、「緊急安全確保」や「避難指示」など、緊急性の高い情報は即時に発信されており安心ですが、混乱期を超えた後の情報発信の遅れを、 城山土砂災害から課題として学ぶ事ができました。 

 記者会見は秘書課が担当。
避難情報などの緊急通知のほか、「災害時情報」というウェブサイトへの情報掲載や、避難情報なども収集できる防災アプリ「マイ・タイムラインアプリ」の更新は、防災危機管理課が担当。
今回は市街地整備課が、応急対策工事に関してのウェブサイト設置を担当し、市民生活課が見舞金やそれに関する情報発信を担当しています。 

今回の城山のケースでも、応急工事の進捗や見舞金などの情報発信は、各部署の権限にて担当し、情報班による指示や差配によるものではありませんでした。
各課がそれぞれに、それぞれのウェブサイトページで情報発信している現状は、災害時に、とにかく早くわかりやすく情報に触れたい市民にとって、利便性が高い状況とは言えません。 

  例えば、特設ページを情報班の差配で開設し、そこに災害に関連するすべての情報を集約するような仕組みづくりも効果的であると考えます。 

そして何より災害発生時の情報発信で大切なのは、スピード感、鮮度の高い情報を届けることです。 

 しかし、今回、災害対応の市からの情報発信に」関して、災害発生21日後の8月2日に開かれた市議会代表者会議で、災害対応のウェブサイトについて開設と担当部署について質問があったところ、周知説明の方法と、担当所管を合わせて、検討中との回答でした。 

 災害発生から3週間を経過してなお、災害対応の情報発信の方法や担当部署が検討段階ということは、緊急時の情報発信体制についての仕組みやガイドラインが整えられていないことが懸念されます。 

 市内の限られた地域での災害でさえも、情報発信の担当や周知方法の決定に3週間以上を要している現状で、これから予想される南海トラフ大地震や過去の西日本豪雨災害のように、市全体、県全体、そして国全体を揺るがすような大災害への備えに、大いに不安が残ります。 

  情報発信の仕組みが整えられていないことで、職員の皆様が不眠不休の努力で収集した情報や、せっかく準備した対応策などの情報が市民には発信されないため届かず、市民の皆様の不信感に繋がってしまうのは、市政の一端を担うものとして遺憾に感じます。
そして何より、災害発生後には、適切な情報発信が、避難場所や支援物資に関する情報など、市民の命と安全に直結しますので、正しくスピーディな情報発信は、災害発生後の市民の生命線として重要視すべきです。今回の災害を教訓に、災害時における松山市の情報発信の体制や庁内ガイドラインを見直す必要があるように感じます。 

そこでお尋ねします。 

災害時における本市の情報発信の、庁内のルールを見直す必要性について、市の見解をお聞かせください。 

[理事者答弁 ]危機管理課
本市では、「避難情報判断・伝達マニュアル」に基づき、「緊急安全確保」や「避難指示」など緊急性の高い情報は、災害対策本部の情報班から一元的に、緊急速報メールやLアラート、マイ・タイムライン防災アプリなど、あらゆる手段を用いて発信する体制を整えています。
その他の情報については、災害の状況や内容、対象者などに応じて、担当課から、市のホームページや公式LINEなどで、お知らせすることにしています。
災害時に市民が求める情報は、規模やフェーズなどで異なることから、ニーズに応じた情報を速やかに、分かりやすく発信できるよう、本市の防災対策の基本を定めた地域防災計画を見直すなかで、情報発信のあり方を検討したいと考えています。以上です。 

  [理事者答弁についての田中エリナ回答]
ぜひ迅速にお願いいたします。 

 
2-2 マイ・タイムライン

防災アプリの今後のさらなる活用について、本市の考えを問う。

[質問全文]
防災アプリについて質問させていただきます。 

災害発生時の安否確認や、リアルタイムでの情報発信、相互方向でのコミュニケーションができることなどから、防災アプリは市民の安心安全を向上させる十分なポテンシャルがあり、その機能を見直し、導入する自治体も増えています。 

  松山市も令和5年に、スマホ時代に対応すべく1万ダウンロードを目標に、防災アプリ、マイタイムラインを作成しました。
2024年8月26日時点で、1万3282人ダウンロードと目標を上回っており、成果を上げている事業として評価させていただきます。
1万人以上の方がご利用になっているこのアプリが、市民にとって一層便利で、利用者が増えるように願い質問いたします。 

まず、このアプリの目的は、利用する市民の皆様が、アプリを利用して防災計画を立て、いざというときに立てた計画に沿って落ち着いて避難行動をとっていただくことです。
しかし、この機能の利用数は4043名で、ダウンロード数の、30%程度にとどまります。 

ダウンロードしているのに、防災計画利用の低さの要因として見受けられるのは、アプリのユーザーインタフェース、いわゆる使い勝手です。
そもそもアプリのホーム画面が、防災計画を立てるものだという、アプリのコンセプトが伝わりにくいことに加え、実際に防災計画を立てるプロセスにおいても、画面上の説明だけでは、わかりづらく、操作完了に至らず離脱してしまう懸念が見受けられます。
これらは、UI設計と言われるアプリの利用のしやすさに課題があると思われ、私も実際何人かの方に、防災計画を立ててほしいと、アプリを勧めましたが、使いづらい、わかりづらいとの声がほとんどでした。 

また、アプリを運営する上での、更新の仕様についても、疑問があります。 
城山の土砂災害に関連して、緑町でご商売されている市民の方から、自身のお店が避難地域として、避難MAPに色がついていて、お客様が怖がって来店してくださらないので、対処してほしとのご相談をいただきました。 

 当該店舗は避難指示を受けている場所でないにもかかわらず、アプリの地図を確認したところ、避難指示が出されている場所を示す紫色に着色されていました。 

松山市の更新ミスかと思い、私は慌てて担当課に問い合わせたところ、アプリの仕様で、避難地域として色づけられる地区の最小単位が決められており、地区一帯でしか、避難場所対象エリアを指定できず、今回の場合、アプリの地図上で、緑町一丁目全体が、避難場所地域として着色されている、とのことでした。 

地図画像の下には文字で、詳細情報が注釈され、正しく記載されているものの、ほとんど全ての方が、地図で着色されている場所は避難指示が出ていると捉えるでしょう。 

今回、担当課においては、マップ自体を削除する形で迅速に対応して頂きましたが、避難場所地域を詳細に設定できないアプリの仕様には問題があるように思います。 

続々と新しい技術が生み出される現代、発注側に専門人材がいなければ、アプリのUI設計など、専門分野への対応は市職員の努力だけでは難しいことは、これまでの議会で何度か取り上げて参りました。 

このアプリに関して、担当課である市民防災安全課の皆様は、熱心にアプリの作成や運営、啓発にも力を込めたからこその目標ダウンロード数達成など、着実に実績を積み上げていらっしゃる中で、いかんせん、アプリの仕様やデザイン設計、更新においては専門外で、またそこに時間を費やすよりも、実際的な防災に関する専門分野へ従事していただく方が、業務効率も高いと思えます。 

  冒頭に申し上げたとおり、アプリは災害発生時にリアルタイムで情報発信できたり、双方向コミュニケーションなど、今後発展すればさらに高いポテンシャルを秘めています。
こうしたアプリの開発は、アジャイル形式といって、ある程度完成した時点で市場に投入し、利用しながら、不具合を更新しつつ、完成に近づけていく開発手法があります。 

 そう考えると今回の件は、アプリが普及していたからこその不具合で、このマイ・タイムラインをさらにブラッシュアップして、バージョンアップ、改善していく、もしくは新しいアプリの導入を検討するのか、いずれにせよ、発展的かつスピード感と的確な改善を進めるには、専門人材の登用も考えなければなりません。
今後、防災アプリを発展的に活用すべく、アプリ運営にデジタルやマーケティング関連の部署との連携も視野に入れながら、アプリの更なるバージョンアップを再考すべきと考えます。 

そこでお尋ねします。 

防災アプリの今後の更なる活用について、本市のお考えをお聞かせください。 

[理事者答弁] 市民防災安全課
松山市マイ・タイムライン防災アプリは、令和5 4 月の導入以降、手軽にマイ・タイムラインが作成でき、災害時には、避難情報や防災気象情報が入手できるツールとして、多くの市民にご利用いただいています。
今後のバージョンアップは、誰もが使いやすく、役立つアプリとなるよう利用者からの意見も集め、画面構成の見直しや機能の充実などを、関係部局と連携しながら、適宜、進めていきたいと考えています。以上です。

  [理事者答弁についての田中エリナ回答]
よろしくお願いします。 


地域経済活性化について

3-1 アリーナ
3-2 商店街
3-3 観光
3-4 企業版ふるさと納税


3-1 アリーナ

車両基地跡地広域交流拠点施設基本計画について、アリーナや文化ホールなどの検討会メンバーに、施設の利用が見込まれる当事者を入れることへの本市の考えを問う。

[質問全文]
9月29日にOPENを控える松山駅新駅舎など、明るいニュースと同時に、松山駅に計画中のバスタに関して、収益性を考慮して縮小するとの報道も流れています。
私も6月議会で、バスタの運営面での持続可能性と関係事業者との協力体制について疑義があることを質問させていただきましたので、縮小は合理的な判断と評価いたしますが、同じく疑問がある、松山駅前の広域文化交流施設について、質問させていただきます。 

松山駅前の施設として、基本計画策定業務を委託するにあたり、市は2,000席程度の劇場型ホールを想定して企画提案を募りましたが、この2,000程度の劇場型ホールという前提条件に疑問があり、議会で質問を重ねてまいりました。 

  私は、自治体が作るこれからの施設は、施設稼働後の運営においてコスト面で市に負担にならないこと、そのためにも民間の運営を前提とした施設であることが、望ましいと考えています。 

  実際に、人口減少による市税収入減や時代変化の速さを背景に、公共施設を、民間の競争力を活かした運営に切り替えていく流れが、全国でも加速しています。
自治体運営の現存施設は全国どこも赤字が多く、松山市の保有する文化スポーツ施設も、全てが赤字運営という状態です。そんな中、施設運営を公営から民営に切り替え、黒字転換した事例は枚挙にいとまがありません。 

 全国で建設が進んでいるアリーナも、民間による運営例が多数を占め、黒字運営が継続できている例が多く見られます。 

  他自治体の先行事例を精査して、ランニングコスト低減策や民間運営を見据えた施設を企画・設計することが重要と考えると、2,000人の劇場型ホールの場合、その需要が疑問です。
過去質問で取り上げましたように、本市はすでに同規模のホールを県民文化会館が有しており、そのホールも稼働率が50%に満たない状況で、松山駅前の新ホールが落成すれば、ただでさえ少ない需要を共喰いすることが想像できます。 

文化団体が劇場を望んでいる声をお聞きしましたが、望まれている規模は、100名程度の小劇場と伺っており、2000人規模のホールは、地元団体では集客が厳しいことなどの理由で積極的に利用しづらいとのお声も伺っています。 

  これらの観点から、文化行事のみに使用できる施設ではなく、市民ニーズが高いと思われる100席程度のサブホールを有し、メインアリーナは最新の音響照明設備を兼ね備え、災害時には防災拠点としても機能する地域活性のドライバーとなり得る、多目的に使用が可能なアリーナの建設を提案してまいりました。 

  松山市のこれまでのご答弁では、3月議会では「稼働率を考えると、現状では、2,000 席程度のホールが適しているといったプロモーターの意見を伺っています。」とのご答弁でした。
つづけて、6月議会の質問へのご答弁では「約2,000席程度のホールは、目安としたもので、具体的な施設の導入機能や規模は、検討していく」というご答弁で、2,000人という座席規模や劇場型ホールという前提を見直す可能性に言及するご答弁への、変化がありました。 

  そして、3月議会でも6月議会でも一貫して、アリーナはスポーツのための施設ではなく、コンサートやミュージカル、またMICEなど多目的に利用できると認識していると、重ねてご答弁頂いております。 

  これから、施設に関して、基本計画を策定するために、検討会を実施していく予定と伺っておりますが、この検討会はどのようなメンバーで実施予定でしょうか?
現在のところアリーナとホールに幅広い知識を持った有識者の方々をお呼びすると伺っております。 

過去の検討会は、大学の教授など専門有識者で構成されるケースが通例でしたが、これからは、真に市民が利用しやすく稼働率も高くなる施設のために、実際に施設ができたときに使用すると見込まれるスポーツ団体や文化団体など、当事者の方々を検討会のメンバーに選定することが、必要と考えます。 

松山ならではのニーズなど、実際に施設を使うことになる方々の声が検討会から吸い上げられると、市民にとって望まれる施設に近づくのではないでしょうか? 

 そこでお尋ねします。 

広域文化交流施設基本計画について、アリーナや文化ホールなどの検討会メンバーに、施設の利用が見込まれる当事者を入れることへの市の考えをお聞かせください。 

[理事者答弁] 交通拠点整備課
広域交流拠点施設の基本計画の策定では、様々な方面からの意見を反映するため、有識者や関係団体の方々で構成される検討会を設置する予定です。
現在、その人選を進めているところですが、まちづくりや建築、施設の運営面に関する有識者のほか、関係団体など、様々な視点でご意見をいただけるメンバーにしたいと考えています。
また、検討会の他にも、ワークショップや施設を利用する団体等へのアンケート調査を実施し、素案をまとめ、パブリックコメントにより広く意見を伺いながら、多くの市民が利用しやすい施設になるよう引き続き取り組んでいきたいと考えています。以上です。

  [理事者答弁についての田中エリナ回答]
前向きなご答弁を嬉しく思います。よろしくお願いします。

 
3-2 商店街

中央商店街(銀天街、大街道)の現状に危機感を持ち、活性化を緊急課題として包括的・戦略的に進める必要性について、本市の考えを問う。

[質問全文]
6月議会で銀天街大街道、中央商店街について質問させていただきました。 

中央商店街衰退の原因は、人々のライフスタイルや居住人口エリアの変化によるもので、本市の行う消費喚起施策だけでは再生が難しい状況にありますが、本市は近年、ハード面での中央商店街への公助を行っておらず、今こそ再生のために具体的なビジョンを打ち出し、他都市のように官民連携で再生事業を行うべきで、市が早急に松山市中心地区市街地総合再生計画を見直し、中央商店街のビジョンを示すべき、と述べました。 

 対する市からのご答弁は、商店街側が中心に、ビジョンをまとめることが望ましい、として、市街地再開発事業などの進行状況を見ながら、商店街からのビジョン実現を、支援したい考えであると、主体的な市の関与は避けるご答弁でした。 

 このご答弁が、テレビの報道で取り上げられたこともあり、商店街関係者からは、落胆と、市がリードしてビジョンを描かない姿勢への厳しいお声を、頂戴しました。 

松山市のリーダーシップのもと、ロープウェー商店街や花園商店街は再開発が進み成功事例として松山市も認識されていることを考えると、中央商店街に関しては、商店街側がビジョンを描くべきで、それを市は待つ、という本市の姿勢には疑問が残ります。
市がリーダーシップをとって整備を進めた、花園町、市駅前再開発エリアとロープウェー街に挟まれた場所に位置し、橋渡し役の中央商店街だけが、それらの整備のコンセプトから孤立して、商店街側がリードしてビジョンを描けというのも酷な話であり、松山市中心市街地の、まさに大動脈である重要エリアのビジョンを、市ではなく、商店街サイドが描く形で、理想とする松山市に近づいていくのでしょうか? 

  自治体のリーダーの胸中には、叶えたい理想とする街のビジョンが有ってしかるべきで、その全体ビジョンのもとにそれぞれのエリアビジョンがあり、その理想につながるエリアマネジメントが、なされるべきです。 

 人々のライフスタイルの変化の中で対面物販、商店の集まりとしての商店街は、変革を迫られている今、商店街のあり方を再定義し、松山市にとって中央商店街をどのような機能性のある場所として、市民や観光客の皆様に愛していただくのか、考え直す時期にきています。
コンパクトシティを標榜する本市では、他のエリアとの連動制や人流も特に熟慮すべき場所が、中央商店街です。松山市全体へ影響も大きいエリアですから、まさに松山市全体へ福音をもたらす中央商店街を再構築する必要があると思います。 

  現在、再開発に関しては、市街地整備課が担当。
企業誘致や消費喚起に関しては、企業立地・産業創出課、商店街元気担当が窓口になっています。
これは国の省庁、国土交通省と経済産業省に紐づいていますので、自治体の縦割りそのものとして部署が別れています。
しかし商店街は、商業という切り口だけなく、防災、商業、道路、教育、福祉と全部署が関わる多機能なエリアであることを考慮しても、これからはワンストップで担当し、情報や権限を集約しスピード感を増す取り組みも、求められます。
商店街元気担当は、商店街への危機感や本市全体への影響の大きさも背景に、新設されたものと思います。商店街元気担当課長が新設され、商店街活性化を推進するのですから、ぜひこの部署がリーダーシップを発揮して中央商店街の活性化を推し進めるべきと考えます。
今、商店街元気担当では、中央商店街活性化に向けて地元のリーダーと協業しながら外部アドバイザーとディべロッピングを進める動きも進んでいると、明るい兆しも聞き及んでおります。 

中央商店街は、確かに居住人口が少ない側面はありますが、通行量を考えると、松山市でも随一のお昼の人口を誇ります。
歳入への影響度の高い固定資産税の観点からも、重要度の高いエリアであると考えます。 

中央商店街からビジョンが上がってくるのを待つ、もしくはそれを進捗の遅れの言い訳にする事なく、積極的に松山市が中央商店街のビジョンを描き、地元と連携しながら中央商店街の生まれ変わる姿を描くべきと考えます。 

 そこでお尋ねします。 

中央商店街の現状に危機感を持ち、活性化を緊急課題として、包括的・戦略的に進める必要性について、市のお考えを、お聞かせください。 

 [理事者答弁]企業立地・産業創出課
大規模店舗の郊外への立地や電子商取引の普及などにより、中央商店街を取り巻く環境は、急速に変化しているため、包括的・戦略的な活性化が必要であると考えています。
そこで、国が、全国の商店街を対象に実施していた「地域交流会」を、今年度から、地方で行うこととなりましたので、10月下旬に、四国で初めて本市で開催し、地域商業機能の新たな役割について学ぶなど、活性化の機運を醸成したいと考えています。
特に、中央商店街では、国等の外部アドバイザー派遣制度を活用しながら、商店街に必要な店舗を誘致するいわゆるテナントリーシングを商店街と連携して行いたいと考えています。
また、建物の老朽化については、不動産所有者等に対し、建替えなどの意向調査を進めており、具体的なニーズを把握し所有者をはじめ商店街や経済団体など関係者と議論を深め、建替えの促進に向けた効果的な支援策を検討していきます。
これら、機運醸成から、将来的な建替えまで、包括的・戦略的な中央商店街の活性化について、商店街やまちづくり会社などと、商店街元気担当をはじめとした庁内関係課が連携し、取り組んでいきたいと考えています。
以上です。

  [理事者答弁についての田中エリナ回答]
期待しています。

  
3-3 観光

観光マーケティングと観光DX をもって、地元事業者と協業しサステーナブル(持続可能)な国内外観光誘客で地域の稼ぐ力を底上げする本市の今後の施策について問う。

[質問全文]
本格的な少子高齢化・人口減少を迎える中で、日本の地方創生の切り札、成長戦略の大きな柱として政府も掲げているのが観光産業で、本市の産業構造を見渡しても観光の与えるインパクトは大きく、力を入れて取り組むべきと考えられます。 

コロナウイルス流行の終息とともにいち早く観光誘客に取り組んだ自治体と、そうでない自治体では、今はっきりと誘客において差が見えてきている状態です。 

観光誘客の鍵をいくつか取り上げると、まずはマーケティングの導入です。
データを用いた観光客ニーズの可視化や分析を通じてエビデンスに基づいたターゲット設定や事業構築が求められます。また観光DXも置き去りにできません。
成功事例に枚挙に暇がないので割愛しますが、全国で観光DX施策で成果を上げている地域は急増中です。

そして忘れがちことが地域の観光事業者、関係者 との関係構築です。
真に持続可能な観光誘客は、官民が連携し思いを一つにしなければ実現しません。 

本市の観光誘客に目を向けると全国から注目を集め成果を上げたデータが残る道後オンセナート事業は、評価に値しますが、事業が終了し官民問わず持続可能な状態に昇華できなかったことが遺憾に思われます。

道後温泉が無事に工事時期を早めて再開に至ったことは、大変素晴らしく歴史に残る本市の功績と思われます。
地域の宝であり観光誘客の入り口ともなる道後を筆頭に、松山市に眠る魅力を届ける事業構築が求められています。 

またインバウンドでも、観光誘客経験のあるインバウンドを担当する課長の着任後、アジア圏の現地旅行代理店への訪問や、西のゴールデンルートアライアンスに加盟し、他地域と一体になって欧米豪向けにマーケティングの展開を試みるなど新たな試みを聞き及んでおります。 

さらに嬉しい兆しとして、本市でも道後、松山城、市内各商店街、三津浜、北条、瀬戸内海忽那諸島など各エリアで観光振興を以って地域発展を願う民間のリーダーの皆様の活発な動き、連携も見られるようになってまいりました。 

今こそ、地元の関係事業者と本市の一体となった観光誘客施策が求められているように感じます。 

そこでお尋ねします。 

観光マーケティングと観光DXを以って、地元事業者と協業しサスティナブル(持続可能)な国内外観光誘客で地域の稼ぐ力を底上げする本市の今後の施策について、お聞かせください。 

【理事者答弁】観光・国際交流課
本市では、「瀬戸内・松山構想」に基づき、観光施設や食、体験メニューなど、地元の素材を提供する事業者と連携して旅行商品を造成するなど、地域の稼ぐ力を高める取り組みを行ってきたほか、訪日外国人旅行者に向けては、割引周遊の商品造成やテストツアーを行うなど、国内外からの誘客に取り組んでいます。
今後は、新たな旅行商品の造成や旅行関連イベントでの観光PRなどを行うほか、 観光DXについては、人材不足解消の有効策として国も推奨しており、先進事例や導入効果について調査・研究を進める予定です。 
インバウンド客向けに、日本の温泉と歴史、文化などを世界に情報発信する取り組みや、西日本地域の自治体等との一体的な誘客で、欧米豪などの新たな市場をターゲットに効果的なマーケティングを実施します。
これにより、本市への訪問や観光消費を促し、地域経済の活性化を目指します。
また、観光DXについては、人材不足の解消などに効果的な方策として国の計画で推奨されており、様々な手法があると認識していますので、先進事例や導入の効果などについて調査・研究していきます。以上です。

[理事者答弁についての田中エリナ回答]
ありがとうございます。
ご答弁にあった瀬戸内松山構想は、平成23年、今から13年前に策定されたものです。
ぜひ時代に合った新たな打ち手の事業創出を期待して、次の質問にうつります。 


3-4 企業版ふるさと納税

企業との出会い創出とトップセールス、魅力的なプロジェクト立ち上げによって企業版ふるさと納税受入額を増やす施策について問う。

[質問全文]
加速する人口減少、中でも生産年齢人口の減少は、自治体の税収減をもたらすことから、十分な市民サービスを恒常的に担保する自治体運営において、歳入確保は、今後喫緊の課題です。
様々な工夫をこらし、歳入を確保する取り組みが求められています。
固定資産税が上がるようなエリアマネジメントやディべロッピング、企業誘致促進や移住促から、税収をあげる取り組みに加えて、地方税法で定められている税目とは別に、自治体が独自に条例を定めて課する法定外税の導入に加えて、「ふるさと納税」「命名権」「クラウドファウンディング」などの税外収入の確保という取り組みも広がっています。 

本市もふるさと納税に関しては、大きく飛躍を遂げ、成果を上げています。本日は、企業版ふるさと納税、 正式名称を地方創生応援税制は、地方創生の取組みを行う企業からの寄付を促す法人寄付の税制度についての質問です。 

自治体にとっては、地方創成プロジェクトへの資金調達や地域の魅力PR、寄附企業との新たな連携による事業構築などメリットの多い制度です。 

令和2年度以降、全国の寄付額は毎年約100億円ずつ伸びており、令和5年度の寄付金額は約470億円、件数は前年比約1.7倍と活用する企業は、増加し続けています。 

松山市に目を向けると、令和4年度の受入額は、830万円 、令和5年度では1千10万円と伸ばしています。 

増加しているのは前向きなことですが、この数字を全国市町と比較しますと、令和5年の受入額は、松山市は、全国486位。
1位は、宮城県 仙台市 24億395万2千円。松山市の約240倍。
四国の中でも、松山市は、27位。1位は宇和島市で、2億8千549万6千円と、松山市の約28倍と、まだまだ活用の余地があると言える数字といえます。 

内閣官房・内閣府総合サイト地方創生の中では寄附の特色を、創業支援型や復興支援型など5つの類例に分けているうちの一つに「トップセールス型」というものがあり、27自治体の中で10件がトップセールス型を含んでいるなど、事例を紐解くと企業版ふるさと納税受入額増加のカギは、松山市への貢献を考えてくださる企業とどのように出会い、トップセールスで関係を構築していくか、という点と、企業にとって魅力的なプロジェクトをどのように立ち上げていくのか、この2点と言えます。 

今発表されている、この税額控除特別措置は令和6年度までで、中長期的な戦略が描けない点は苦しいところですが、令和6年も後半が残っておりますし、何らかの形で来年度以降の継続が予測されておりますので、今後、松山市としても、企業版ふるさと納税にさらに力を入れて受入額の伸びにつなげるべきと考えます。 

企業版ふるさと納税に関して、その重要性や松山市へのメリットは十分に認識されていらっしゃると伺っております。 
そこでお尋ねします。 

受入額の増加のために、企業との出会い創出とトップセールス、魅力的なプロジェクト立ち上げによって企業版ふるさと納税受入額を増やす施策について、お聞かせください。 

[理事者答弁]企画戦略課
本市では、企業版ふるさと納税の獲得に向け金融機関などとマッチング支援契約を締結し、その幅広いネットワークを活かすとともに、効果的な営業手法について、民間の複業人材から助言をいただくなど、県外企業と接触する機会を増やし、寄附につなげるための取組みを行っています。
また、本市出身の創業者や、本市に事業所のある企業に対してもトップセールスを行うとともに、多額の寄附をいただいた企業を地方創生パートナーに認定することで、継続した関係構築に努めています。
さらに、受入額の増加に向けては、道後温泉本館の全館営業再開やことばのちからイベント、TGC松山2024 など、本市の特徴的な事業を重点的にPRするほか、今月からは、「がんばって いきまっしょい」の劇場アニメ化に合わせたアプローチも始めています。
いずれにしても、企業版ふるさと納税は、地方創生を推進する財源を確保する上で重要だと認識していますので、今後も、こうした取組みを進めながら、受入額を増やしていきたいと考えています。以上です。


シティプロモーションについて

4-1 ブランド戦略
4-2 松山市広報誌 広報まつやま
4-3 松山市WEBサイト


4-1 ブランド戦略

新たに発表される都市ブランド戦略の市内外への認知拡大、浸透に向けた施策を問う。

[質問全文]
本市のブランディングの中心に、シティプロモーションの方向性を決める「都市ブランド戦略プラン」があります。
これまで松山市では、平成25年に策定されたプランが使用されていました。
時代の変化が速い現代に10年以上前に策定されブランド戦略プランを使い続けることに疑問を抱き、過去何度か質問させていただいてきましたが、今年ようやく第2期 松山市都市ブランド戦略の策定が進んでいるという喜ばしい状況です。
しかしこのブランド戦略の進捗に懸念点が見受けられるため質問させていただきます 

先日、8月29日に新シティブランドの公表の告知が公開されているのですが、ここにいらっしゃる傍聴の皆様、議員の方々、もしかしたら職員の皆様も、松山市の新しいメッセージがまもなく公開されるという予定があること、またそのことが、ウェブサイトでカウントダウンされていることをご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか? 

私が聞き取りしている限り、少なくともブランドメッセージ発表に対して期待感を持つ市民や、メッセージの発表を楽しみにしている市民に出会うことができませんでした。 

先週の金曜日に、LINEで市民にこのサイトを広報していますが、それを踏まえても、ブランドサイトの閲覧ユーザーは、公開から9月8日までで、2226人で、松山市のLINE登録者数10万2350アカウントから考えても、関心の低さが伺えてしまいます。 

そもそもブランドサイトは周知すればいいというものではなく、実際に市民や松山に関係する人たち、また、全国の人にブランドに興味を持たせ、巻き込んで行く方向に誘導できるかどうか、が大切です。 

前回のブランド戦略にて出てきた「いい加減、松山」のメッセージを基にしたブランド戦略は、一定の成果もあったと同時に、貴重な反省材料も残してくれたと伺っています。 

その反省点は二つあり、ひとつには、ブランドメッセージに具体的なKPIが設定されていなかったことから、具体的な効果測定が曖昧になった点。 

もう一つは、効果測定が曖昧ゆえに具体的な成果を上げるための行動につながらず、ロゴやメッセージを作った後、継続的なプロモーション施策を取れなかった点。
これらをまとめて申し上げるなら、作ることが目的になってしまっているのではないか?という反省点がございます。 

これらの反省を生かして数ヶ月後に新たに打ち出されるブランド戦略は、IT技術の進歩によるビックデータの収集分析が可能になった時代に即したものとなることが期待されています。
市民や観光客などターゲットに対して的確に魅力を打ち出すためにKPIの設定がなされたマーケティング施策、KPI達成に向け適切なプロモーション戦略を展開するための情報収集分析プロセスを設けることが今後の成果を大きく左右します。 

そのため今回のシティプロモーションに関するプロポーザルの要件にはビックデータの収集分析などマーケティングを重視する項目を入れるなど前向きな変化を高く評価させていただきます。
今後、どのようにデータ分析が行われ、エビデンスに基づいた課題設定やKPI、その先にあるメッセージにつながっていくのか、発表が楽しみです。 

残る懸念点は、市民をどれだけ巻き込めるか、市民に我ごとと感じていただいたり、メッセージに愛着を持っていただけるか、です。
作ることが目的ではなく、継続的なその後のプロモーションや仕掛けをもって、その先に移住や観光などの事業に展開したりシビックプライドの醸成、市民に使っていただけるようなムーブメントにつなげることが求められています。
作ってからどう展開していくか、この施策が気になるところです。
メッセージ発表は今月に迫り、計画ではこの秋にはもう市民を巻きむための施策が展開される予定です。
これから都市間競争が激化することからも都市ブランディングは特に重要です。 

改めて申し上げますと、ブランド戦略によって市にもたらされる福音とは、
一、観光客増加
二、移住増加
三、ふるさと納税などの関係人口増加
四、シビックプライドの醸成
など、市の将来にとっても重要な施策です。 

そこでお尋ねします。 

新たに発表されるブランド戦略を、実際に市民や松山に関係する人たち、また全国の人に、知っていただき、そのうえでブランドに興味を持っていただき、巻き込んで行く施策を、お聞かせください。 

 [理事者答弁]
本市では、「第2期都市ブランド戦略」の策定に合わせて制作した新たなブランドメッセージとロゴを通して本市が目指すまちの姿や変わらず大切にしていく思いをまずは、市民に認知していただくとともに、松山に関係する方や全国の方にも拡大しながら浸透させていきたいと考えています。
具体的には、新しいブランドへの関心を高めるため、新メッセージの発表前から、ブランディングサイトを開設し、そのサイトを周知するため、市の広報紙や公式LINE のほか、商店街のストリートビジョン等を活用しています。
また、発表後は、市民には各種イベントや市の広報ツールなどでPRし、松山に関係する方や全国の方には、東京事務所との連携やメディアの活用などでブランドに興味を持っていただき、さらに一緒に参画していただける施策で認知を拡大し、浸透させたいと考えています。
以上です。 


4-2 松山市広報誌 広報まつやま

広報紙の今後の在り方について、本市の考えを問う

[質問全文]
これまでにも広報誌については幾度か取り上げてまいりました。
時代に応じた予算や紙面の内容の見直しを検討すべきタイミングであると考えます。 

改めて、紙媒体で印刷し月に2回全戸配布される「広報まつやま」の令和6年度の予算は、約1億4800万円です。 

情報収集媒体が紙からインターネットに移行している人々のライフタイルの変化、配送費の高騰の影響を受けて、この広報誌の配布方法や発行回数を見直す自治体が、増えています。 

行に関しては、月に一回発行自治体の割合も多く、また年間4回発行の自治体も少なくありません。
昨年末のNHKニュースにて、広報誌を月に2回から「月1回」に減らす市が増加していると報道がありました。
その報道の中に群馬県伊勢崎市のアンケートが公開されていましたが、発行回数についての市民アンケートの結果、
「月1回がいい」が最も多く68%、
「発行しなくていい」が16%
「月2回がいい」が13%だったそうです。 

  配布方法についても、全国の自治体で見直しが行われています。
松山市は配送を委託し配布していますが、配送料高騰状況において、全戸配布ではなく、公共施設設置に切り替える自治体もあり、また年に数回の新聞折り込みという手段をとっている自治体もあります。 

 配布回数、配布方法とともにDXに関しても、着手している自治体が増えています。
広報誌をデータのままWEBサイトにアップするだけはなく、デジタルブック版にして、より読みやすくWEBで展開し、紙媒体もインターネットも、だれも取り残さない広報誌のあり方を検討する自治体も増えています。 

また、掲載内容についても松山市の現在の掲載内容は、市税の使い方や市の事業、イベントについて事後報告を中心としたものですが、これは全国でも珍しくなりつつあります。 

掲載内容に関して他自治体の好事例を見渡しますと、全国広報誌コンクールで2年連続で内閣総理大臣賞を受賞している埼玉県北本市の「広報きたもと」は、市民の活動や生活に焦点を当て、丁寧に市民への取材を重ね紙面に反映し、その写真や言葉選び、レイアウトともに、目を引くデザインになっており、高く評価されています。 

 全国広報コンクールで総務大臣賞を受賞したこともある愛媛県西条市の広報誌「広報さいじょう」、こちらも市民が主役の広報誌で、毎回テーマに沿ってたくさんの市民が取り上げられています。
また、2024年には内閣総理大臣賞を西予市「広報せいよ」が受賞するなど、愛媛県内でも広報誌が受賞を重ねる中、松山市の頑張りが期待されるところです。 

 現代の自治体の広報誌の多くは、市民に光を当て、市民をPRし、応援するために予算を割いているケースが多いです。
そうすることで市民の共感を得て、読まれる工夫がなされています。 

 西予市の5月2日の読売新聞の受賞の記事から、担当職員のインタビューを引用いたしますと「受賞は、取材を受けてくださった多くの市民のおかげ。
仕事や地域活動、趣味などに熱い思いを持って取り組む人の話を聞くことができ、新鮮だった」と述べた。と報じています。
ここでも、市民を中心に取材をし広報誌づくりが、功を奏している様子がうかがえます。 

  このように、昨今市民からも評判が良い自治体の広報誌は、市民主体のことが多く、取り上げられている人物を丁寧に取材していたり、また写真のクオリティが高いことも、特徴です。 

  各自治体が時代の変化に応じて、配布回数、配布方法、掲載内容など多岐にわたって見直しを進めている広報誌ですが、松山市は、全戸配布、月二回の発行、そして掲載内容は市政の報告中心と、長らく変化のないままです。
広報まつやまにおいても、一部市民も登場しますが、掲載内容が市民主体と言えるものではなく、あくまで市政の報告が中心です。 

市の広報誌の発展的な刷新を検討する時期にきている中、広報誌への市民のニーズを把握するためのアンケートについて伺うと、松山市のアンケート結果は84%の市民が月2回の発行がいいと答えていると伺っておりますが、他市のアンケート結果との乖離や、私が聞き及ぶ市民の声と乖離があり、疑問です。
アンケートの集計方法や年齢構成、設問内容が適正なのか、アンケート自体を見直す必要もあるように、感じます。 

そこでお尋ねします。 

今後、広報誌への幅広い世代の市民ニーズを、より適切に把握するために、広報誌の今後のあり方について検討すべきと考えますが、市のお考えをお聞かせください。 

[理事者答弁]シティプロモーション推進課
市民アンケートでは、市政の情報を広報紙から得ている割合が高く、通信機器の操作が苦手な方もいることから、広報紙はすべての方に情報発信できる手段として不可欠であると考えています。
また、発行回数は、84%の市民が「今のまま月2回」を望む一方で、「情報量を増やして月1回」の方は15%にとどまりますので、現状を継続していきます。 
さらに、掲載内容についても、多くの方から評価をいただいていますが、市民の共感がより一層得られるような紙面づくりに引き続き取り組みます。
今後も、市民の声に耳を傾けながら他都市の状況も踏まえ広報紙の在り方を検討したいと考えています。以上です。

[理事者答弁についての回答]
市民の皆さまに、予算規模や他市の取り組みをお伝えしたうえでのアンケート結果なのか、疑問がのこります。ぜひ改善を期待して、次の質問にうつります。 


4-3 松山市WEBサイト

市民ニーズを捉え、時代の流れに遅れないウェブサイトを構築していくことへの、本市の考えを問う。

[質問全文]
先ほどの広報誌に関する質問の際に、広報誌の年間予算は1億5000万であると申し上げましたが、この予算に対し、令和6年度のウェブサイトの予算は年間500万円程度と、30分の1にとどまります。 

  私は、わかりやすい情報発信やシティプロモーションに力を入れる政治姿勢を示している中で、さまざまご意見頂戴しますが、その中で市民の皆さまからのご要望が多いのが、市のウェブサイトの使い勝手について、欲しい情報にたどり着けず、使いづらいと言うご意見です。 

もちろん、松山市民は年齢もバックグラウンドも様々で、デジタルデバイドと言われる、いわゆる情報格差が生じないように配慮することも当然で、そのために紙媒体を注力するとのお考えも理解できますが、昨今、情報を提供する側が利用するIT技術の発展と共に、情報を受け取る市民側も広い世代にスマホが浸透するなど、あらゆる市民を取り残さず使い勝手の良いやすいウェブサイトを構築可能な時代に突入しつつあります。 

  現在松山市でもウェブサイトのリニューアルを検討中であると伺っております。
今後ニューアルを進めていく中で、ウェブサイトの構築方法を、これまでのやり方を前例踏襲していたのでは、望んだ結果に辿り着けないことが懸念されますので、今回質問させて頂きます。 

  なぜならば、自治体のウェブサイトは情報量も膨大でリニューアルの準備に数年。
リニューアルをすると決めて事業者選定のために仕様書を出してからさらに1年。
その後、制作期間に年単位。
完成時点で、計画段階からすでに数年経っており、公開時点ですでに時代遅れになっていることが懸念されるのです。 

  今後、ウェブサイトをリニューアルするときに大切なことは、企画設計時から時間を経ても時の流れに耐え、真に未来的なウェブサイトの構築を目指すことが求められます。 

  

そのためには、他自治体のウェブサイトの「今」を調査するだけでは、未来的なウェブサイト構築を実現することは困難です。
なぜならば、他自治体のウェブサイトで、今、表現されているものの調査研究は、すなわち数年前の技術や企画・設計を調べていることに変わり無いからです。 

現在の技術革新の中で、生成AIの台頭をきっかけに、今後ますます想像もできなかった機能をWEBサイトに内包することができることも、予想されます。 

IT技術革新が進む環境下で市民の誰も取り残さない、使い勝手の良さを担保できるデザインや機能を確保し、それが制作期間の時の洗礼に耐える理想のウェブサイトを完成させるためには、従前のやり方を見直し、これまでとは異なるリニューアルの方法が求められると考えます。 

そのためには、ITのあらゆる技術に精通した高度な専門知識を有するデジタル人材を松山市に招聘すると同時に、職員研修を充実させるべきです。
それ相応の予算も必要ですが、デジタル人材の招聘や育成は、これからの市政運営に必要不可欠です。
そしてとりわけ重要と考えるのが、最先端の民間企業が有する知見を学ぶことです。 

  これらの取り組みを経て、初めて、あらゆる市民から、見やすい、使いやすい、予約しやすい、手続きが簡単、とご満足いただけるWEBサイトを目指せるものだと思います。 

そこでお尋ねします。 

市民ニーズを捉え、時代の流れに遅れないWEBサイトを構築していくことへの、松山市のお考えを、お聞かせください。 

[理事者答弁]シティプロモーション推進課
本市のホームページは令和4年に、全国で最も自治体サイト制作の実績がある事業者によって、利用者目線を大切に、時代に合ったデザインで、使いやすく、情報に辿り着きやすいサイトに、リニューアルしたものです。
それ以降も、毎年、マニュアルを通して職員のスキルアップを図るとともに、専門家による視認性調査をもとに、 図表の使い方や簡潔な文章の作成など、市民が見やすいサイトづくりを行っています。
今後のリニューアルは、最新の情報通信技術やAI など、これからの時代に求められる機能について、外部の専門人材から情報収集していますので、その状況を見ながら、検討したいと考えています。以上です。

[理事者答弁についての田中エリナ回答]
私のところにウェブサイトが使いにくいという市民からの声がなくなることを期待いたしまして、次の質問に移ります。


女性活躍について

5-1 女性活躍について


5-1 女性活躍について

本市の働く女性の活躍推進の取組について、今後の展開を問う。

[質問全文]
日本のジェンダーギャップ指数の低さが世界に大きく後れを取っていることは周知の事実であり、人権の観点からも社会全体で取り組むべき課題ですが、女性活躍推進は、出生率の低下、人口減少による働き手不足、ひとり親家庭の貧困問題、若年女性の県外流出など地方創生の喫緊の課題を解決する一端を担える可能性を秘めた分野で、自治体は人権問題の観点のみならず地方経済発展にも欠かせない分野として受け止め、取り組むべきと言えます。 

  女性活躍推進のために自治体に具体的に求められていることは、企業における女性の採用・育成・登用の強化支援や、科学技術・学術分野における女性活躍の推進、デジタル分野での女性活躍推進、そして女性起業家の支援などです。 

女性の所得向上、経済的自立に向けた取組推進就労に直結する取り組みとしては、デジタルスキルの習得支援やデジタル分野への就労支援などのリスキリング、正規雇用の女性の就業継続支援や妊娠等を契機に非正規雇用となった女性の正社員転換するための取組、また仕事と育児・介護の両立の支援、仕事と健康課題の両立の支援。
そして、地域リーダーの意識醸成・育成推進などがあげられます。 

 どうしても家事や育児、介護の女性の負担割合が多くなりがちな現代の社会において、女性活躍支援を推し進めるには、相関するこれらの取り組みを一元管理する専門部署が予算を持ち取り組むことが望ましく、少なくとも、部署を横断する連携の座組が必要で、最も望ましいのは、一元担当する課の新設と、以前の質問で取り上げさせていただきました。 

  本市女性活躍推進の民間企業への取り組みは、市民部人権・共生社会推進課の、「まどんな応援企業宣言認証制度」で、年間予算額2万3千円と本気度が感じられないのが残念ですが、成果の見られる取り組みもあります。
例えばふるさと納税 経営支援課の雇用対策推進事業の中の職業訓練で就労や所得向上を後押ししていたり、委託事業しごと創造センターで創業支援を成功させています。
これはどちらも男女ともに利用できる事業ですが、近年創業支援は女性の割合が増えてきており、女性のリスキリングや所得向上、起業への機運醸成が感じられます。
これらの取り組みや知見を活かして、本市も女性活躍推進に特化した取り組みを進める時期に来ているのではないでしょうか? 

冒頭申し上げました通り、女性活躍推進は人権擁護の観点だけにとどまる取り組みではなく、地域社会とりわけ地域経済に大きな福音をもたらすことを念頭に、庁内体制を整えるとともに、本気度が伺える予算計上を以って、取り組むべきと考えます。 

そこでお尋ねします。 

本市の女性活躍推進の取り組みについて、本市の今後の計画について、お聞かせください。 

【市長答弁】 ふるさと納税・経営支援課
松山市では、働く女性の活躍を推し進めるため、技能や知識の習得に向けた職業訓練やIT スキルなどの資格取得でのキャリア形成を支援するほか、松山しごと創造センターに相談窓口を設け、中小企業診断士など専門家が常駐するほか、セミナーや個別カウンセリングを行い、創業を支援しています。
これからも、 女性登用や子育て支援を積極的に行う企業をまどんな応援宣言事業所に認証するとともに、さまざまな企業へ、支援策を広く知らせ、啓発していきます。
また、リスキリング 職業能力再開発 で、デジタルなど新しい分野でキャリア形成し、専門性を高めるほか、女性経営者の育成を支援するネットワークをつくるなど、経済的に自立する女性を後押しするよう効果的な支援策を検討したいと考えています。以上です。

 [理事者答弁についての田中エリナ回答]
前向きなご答弁ありがとうございます。
嬉しく思います。

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